2006-02-06 四日目 読書する妻 私が帰った時、家の中は何もできていなかった。もはや慣れた。 百年前からの日課のようにリビングの照明をつけると、やはり百年前からの日課のようにそこに妻がいて、読書していた。 そして、読んでいる本だけが変わっていた。 何より、作者が変わっていた。国産、しかも女流だった。 「色んな三国志があるもんだねえ……」 「んー」 私は台所に立って料理を始めたが、妻がいつも誰から大量の本を借りているのかを聞き忘れたことに気づいた。 本日の本 藤水名子による三国志小説 赤壁の宴 (講談社文庫) 公子風狂―三国志外伝・曹操をめぐる六つの短篇 (講談社文庫) 公子曹植の恋 (講談社文庫) 三国志に限らず他にも中国小説を多数ものしている。