四日目

 私が帰った時、家の中は何もできていなかった。もはや慣れた。
 百年前からの日課のようにリビングの照明をつけると、やはり百年前からの日課のようにそこに妻がいて、読書していた。
 そして、読んでいる本だけが変わっていた。
 何より、作者が変わっていた。国産、しかも女流だった。
「色んな三国志があるもんだねえ……」
「んー」
 私は台所に立って料理を始めたが、妻がいつも誰から大量の本を借りているのかを聞き忘れたことに気づいた。